犬アデノウイルス2型感染症

今回は犬の感染症シリーズ第三回。
犬の感染症~犬アデノウイルス2型感染症~について解説します。

犬アデノウイルス2型感染症


 

犬の主な感染症の一つである犬アデノウイルス2型感染症は、犬伝染性喉頭気管炎とも呼ばれ、犬パラインフルエンザウイルスと同様に、犬の風邪の症状を示す『ケンネルコフ』の原因です。
〇 犬ジステンパーウイルス感染症
〇 犬パルボウイルス感染症

〇 原因は?

原因は犬アデノウイルス2型(Canine adenovirusⅡ:CAVⅡ)の感染です。

犬アデノウイルス2型は、感染動物の咳、くしゃみ、鼻水といった分泌物にウイルスが排出され、感染動物と直接接触したり飛沫を経口、経鼻的に摂取して感染します。

犬パラインフルエンザウイルスやボルデテラ、マイコプラズマなどの他の細菌などと二次感染を同時に引き起こすこともあります。

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〇 症状は?

『ケンネルコフ』と呼ばれるように主な症状は風邪の症状です。

仔犬のころに感染することが多く、咳やくしゃみ、鼻水、発熱といった典型的な呼吸器症状が特徴です。あまり重症になることはありませんが、まれに肺炎になり重症になることもあります。

犬パラインフルエンザウイルスやボルデテラ、マイコプラズマなどの他の細菌など同時に感染すると重症化するリスクが高まります。

▪ 呼吸器症状
▪ 咳
▪ くしゃみ
▪ 鼻水

〇 診断は?

仔犬の典型的な呼吸器症状があることで仮診断を行います。血液検査において炎症が示唆されたり、胸部レントゲン検査で肺炎の有無を確認します。

外部の検査センターによって行う、ウイルスの抗体検査も可能ですが、あまり診断に用いることはありません。

〇 治療は?

治療は、呼吸器症状に対してネブライザーを行います。

また他の細菌感染による二次感染に対して、抗生物質を使用します。

ウイルス自体に効果のある薬はなく、有効な治療法はありません。

 


犬アデノウイルス2型感染症はワクチン接種を行うことにより予防できる病気です。特に子犬の時期に感染することが多いため、適切なワクチン接種を行ってください。