犬パルボウイルス感染症

今回は犬の感染症シリーズ第二回。
犬の感染症~犬パルボウイルス感染症~について解説します。

犬パルボウイルス感染症


 

犬の主な感染症の一つである犬パルボウイルス感染症は、激しい下痢、嘔吐の症状によって致死率も高い非常に怖い病気です。感染力も高く犬ジステンパーウイルスと合わせて注意が必要な感染症です。
〇 犬ジステンパーウイルス感染症

〇 原因は?

原因は犬パルボウイルス(Canine parvovirus:CPV)の感染です。
犬パルボウイルスは、感染動物の排泄物にウイルスが排出され、感染動物との直接の接触や、糞便、尿、血液から経口、経鼻的に摂取して感染が成立します。

ウイルス自体が環境中での生存能力が非常に高く、排泄された後も数カ月は感染能力があるため非常に注意が必要な感染症です。消毒薬に対しても非常に強く、一般的な消毒薬であるアルコールでは死にません。そのため感染動物と接触した人の皮膚や、衣服、靴などによってウイルスが運ばれて感染することもあります。不特定多数の犬が集まるペットショップ、ドッグラン、トリミングサロン、ペットホテル、動物病院では感染に十分注意する必要があります。感染力も非常に高く同じ飼育環境内で爆発的に感染していきます。母犬から経胎盤でも感染します。

数日の潜伏期間の後、口から侵入したウイルスは腸で増殖、複製していきます。

 

〇 症状は?

まずは元気食欲が低下し、発熱がみられます。その後腸でウイルスが増殖していき、消化器症状がでるようになります。激しい下痢と嘔吐が主な症状です。血液検査の所見としては白血球が顕著に減少します。白血球の減少に伴う免疫力の低下がおき、他の感染症にかかりやすくなるといったことも見られます。

あまりにひどい水様性下痢、血便と頻回の嘔吐により、激しい脱水症状を呈し重症化し、死亡率の非常に高い病気です。
子犬で消化器症状がある場合は、必ず疑って検査すべき病気です。

▪ 消化器症状
▪ 下痢
▪ 嘔吐
▪ 白血球減少

〇 診断は?

院内の検査ではパルボウイルス抗原を検出する検査キットを使用して診断します。糞便を使用して検査を行います。血液検査では白血球の減少が見られることも診断の一助となります。

外部の検査センターによって行う、糞便のPCR検査によってウイルスを検出する方法であればかなり正確に診断することができますが、結果が出るのに日数がかかります。ウイルスの抗体検査も可能ですが、あまり診断に用いることはありません。

〇 治療は?

治療は主に対症療法により、状態を安定させていくことが重要です。
脱水に対して点滴を行うこと、嘔吐に対して制吐剤を使用すること、免疫力が低下し二次感染を起こすことに対して抗生剤を使用すること、また抗ウイルス薬も使用します。
通常一種間程度で症状は改善していきますので、そこまでしっかり集中的に治療することが重要です。

 


犬パルボウイルスから守るためにはワクチン接種を行うことです。特に子犬の時期に感染すると一気に重症化して命にかかわる病気です。適切なワクチン接種を行ってください。
また新しくわんちゃんを迎え入れた際には健康チェックされるまでしっかり隔離すること、環境を消毒することが重要です。