12月30日午後から1月4日午前休診

年末年始の休診のお知らせです。

12/30午前まで診察いたします。

年始は1/4午後から診察します。

8月8日(火)~8月10日(木)休診

8/8(火)~8/10(木)は

休診いたします。

よろしくお願いします。

犬伝染性肝炎

今回は犬の感染症シリーズ第四回。
犬の感染症~犬伝染性肝炎~について解説します。

犬伝染性肝炎


 

犬の感染症の一つである犬伝染性肝炎は、発熱、鼻水といった風邪のような症状と、嘔吐、下痢といった胃腸症状を示し、進行すると肝炎を起こす子犬で死亡率の高い病気です。
〇 犬ジステンパーウイルス感染症
〇 犬パルボウイルス感染症
〇 犬アデノウイルス2型感染症

〇 原因は?

原因は犬アデノウイルス1型(Canine adenovirusⅠ:CAVⅠ)の感染です。

犬アデノウイルス1型は、感染動物の鼻水などの分泌物、尿や便にウイルスが排出され、感染動物との接触や尿や便を摂取して感染します。

ウイルスは環境中で比較的安定であり、排泄されて数日から数カ月感染力を維持するため、多頭飼育といった環境などの場合は積極的な消毒が必要です。

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〇 症状は?

軽症であれば発熱、鼻水といった風邪のような症状で回復する場合もあります。また嘔吐や下痢といった消化器症状も見られることもあります。

回復がみられず重症化した場合はリンパ節炎、肺炎、肝炎を引き起こします。肝炎があると激し嘔吐や下痢、黄疸、出血傾向による皮膚の点状出血などの症状が起こります。

重症例では死亡することもあり、また感染してすぐに突然死することもあります。

目の症状もあり、角膜浮腫によって目が濁ってみえるブルーアイが確認されることもあります。

▪ 呼吸器症状
▪ 消化器症状
▪ 肺炎
▪ 肝炎

〇 診断は?

一般状態を把握するため、血液検査、レントゲン検査、超音波検査を行います。

外部の検査センターによって行う、ウイルス抗原検査であるPCR検査や抗体検査を組み合わせて診断を確定します。

〇 治療は?

ウイルス自体をなくしてしまう有効な治療法はありません。そのためワクチンなどによる適切な予防が大切です。

治療は症状に併せて対症療法が主体となります。

風邪の症状に対してはネブライザーや、二次感染対策としての抗生物質の投与を行います。

胃腸症状がある場合は、制吐剤や下痢止め、点滴などの治療をします。

肺炎や肝炎がある場合は入院治療による積極的な治療が必要であり、出血傾向がある場合は輸血も考慮します。

 


犬伝染性肝炎はワクチン接種を行うことにより予防できる病気です。特に子犬の時期に感染することが多いため、適切なワクチン接種を行ってください。

5/3~5/5休診 5/1 5/2は診察します

GW休診のお知らせ

5/3~5/5は休診いたします。

4/29は午前診察 5/1 5/2は診察します。

犬アデノウイルス2型感染症

今回は犬の感染症シリーズ第三回。
犬の感染症~犬アデノウイルス2型感染症~について解説します。

犬アデノウイルス2型感染症


 

犬の主な感染症の一つである犬アデノウイルス2型感染症は、犬伝染性喉頭気管炎とも呼ばれ、犬パラインフルエンザウイルスと同様に、犬の風邪の症状を示す『ケンネルコフ』の原因です。
〇 犬ジステンパーウイルス感染症
〇 犬パルボウイルス感染症

〇 原因は?

原因は犬アデノウイルス2型(Canine adenovirusⅡ:CAVⅡ)の感染です。

犬アデノウイルス2型は、感染動物の咳、くしゃみ、鼻水といった分泌物にウイルスが排出され、感染動物と直接接触したり飛沫を経口、経鼻的に摂取して感染します。

犬パラインフルエンザウイルスやボルデテラ、マイコプラズマなどの他の細菌などと二次感染を同時に引き起こすこともあります。

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〇 症状は?

『ケンネルコフ』と呼ばれるように主な症状は風邪の症状です。

仔犬のころに感染することが多く、咳やくしゃみ、鼻水、発熱といった典型的な呼吸器症状が特徴です。あまり重症になることはありませんが、まれに肺炎になり重症になることもあります。

犬パラインフルエンザウイルスやボルデテラ、マイコプラズマなどの他の細菌など同時に感染すると重症化するリスクが高まります。

▪ 呼吸器症状
▪ 咳
▪ くしゃみ
▪ 鼻水

〇 診断は?

仔犬の典型的な呼吸器症状があることで仮診断を行います。血液検査において炎症が示唆されたり、胸部レントゲン検査で肺炎の有無を確認します。

外部の検査センターによって行う、ウイルスの抗体検査も可能ですが、あまり診断に用いることはありません。

〇 治療は?

治療は、呼吸器症状に対してネブライザーを行います。

また他の細菌感染による二次感染に対して、抗生物質を使用します。

ウイルス自体に効果のある薬はなく、有効な治療法はありません。

 


犬アデノウイルス2型感染症はワクチン接種を行うことにより予防できる病気です。特に子犬の時期に感染することが多いため、適切なワクチン接種を行ってください。

3月1日から病院移転のお知らせ

―かく動物病院移転のお知らせ―

このたび病院を下記の通り移転することとなりました。

これを機会に、ワンちゃん猫ちゃんが健康でいられるよう

さらに専心努力いたす所存でございますので、

今後ともよろしくお願い申し上げます。

 

移転先 〒606-0021京都市左京区岩倉忠在地町503

移転時期 3月1日

岩倉中通り沿いで、駐車場は病院敷地内に5台完備いたします。

 

犬パルボウイルス感染症

今回は犬の感染症シリーズ第二回。
犬の感染症~犬パルボウイルス感染症~について解説します。

犬パルボウイルス感染症


 

犬の主な感染症の一つである犬パルボウイルス感染症は、激しい下痢、嘔吐の症状によって致死率も高い非常に怖い病気です。感染力も高く犬ジステンパーウイルスと合わせて注意が必要な感染症です。
〇 犬ジステンパーウイルス感染症

〇 原因は?

原因は犬パルボウイルス(Canine parvovirus:CPV)の感染です。
犬パルボウイルスは、感染動物の排泄物にウイルスが排出され、感染動物との直接の接触や、糞便、尿、血液から経口、経鼻的に摂取して感染が成立します。

ウイルス自体が環境中での生存能力が非常に高く、排泄された後も数カ月は感染能力があるため非常に注意が必要な感染症です。消毒薬に対しても非常に強く、一般的な消毒薬であるアルコールでは死にません。そのため感染動物と接触した人の皮膚や、衣服、靴などによってウイルスが運ばれて感染することもあります。不特定多数の犬が集まるペットショップ、ドッグラン、トリミングサロン、ペットホテル、動物病院では感染に十分注意する必要があります。感染力も非常に高く同じ飼育環境内で爆発的に感染していきます。母犬から経胎盤でも感染します。

数日の潜伏期間の後、口から侵入したウイルスは腸で増殖、複製していきます。

 

〇 症状は?

まずは元気食欲が低下し、発熱がみられます。その後腸でウイルスが増殖していき、消化器症状がでるようになります。激しい下痢と嘔吐が主な症状です。血液検査の所見としては白血球が顕著に減少します。白血球の減少に伴う免疫力の低下がおき、他の感染症にかかりやすくなるといったことも見られます。

あまりにひどい水様性下痢、血便と頻回の嘔吐により、激しい脱水症状を呈し重症化し、死亡率の非常に高い病気です。
子犬で消化器症状がある場合は、必ず疑って検査すべき病気です。

▪ 消化器症状
▪ 下痢
▪ 嘔吐
▪ 白血球減少

〇 診断は?

院内の検査ではパルボウイルス抗原を検出する検査キットを使用して診断します。糞便を使用して検査を行います。血液検査では白血球の減少が見られることも診断の一助となります。

外部の検査センターによって行う、糞便のPCR検査によってウイルスを検出する方法であればかなり正確に診断することができますが、結果が出るのに日数がかかります。ウイルスの抗体検査も可能ですが、あまり診断に用いることはありません。

〇 治療は?

治療は主に対症療法により、状態を安定させていくことが重要です。
脱水に対して点滴を行うこと、嘔吐に対して制吐剤を使用すること、免疫力が低下し二次感染を起こすことに対して抗生剤を使用すること、また抗ウイルス薬も使用します。
通常一種間程度で症状は改善していきますので、そこまでしっかり集中的に治療することが重要です。

 


犬パルボウイルスから守るためにはワクチン接種を行うことです。特に子犬の時期に感染すると一気に重症化して命にかかわる病気です。適切なワクチン接種を行ってください。
また新しくわんちゃんを迎え入れた際には健康チェックされるまでしっかり隔離すること、環境を消毒することが重要です。

犬ジステンパーウイルス感染症

今回から犬の感染症シリーズ。
今回は犬の感染症~犬ジステンパーウイルス感染症~について解説します。

犬ジステンパーウイルス感染症


 

犬の主な感染症は、犬ジステンパーウイルス感染症、犬パルボウイルス感染症、犬伝染性喉頭気管炎(犬アデノウイルス2型感染症)、犬パラインフルエンザウイルス感染症、犬伝染性肝炎(犬アデノウイルス1型感染症)、レプトスピラ症などがあります。
犬ジステンパーウイルス感染症は非常に感染力が高く、感染すると致死率も非常に高い病気であり、子犬の命を脅かす怖い感染症です。

〇 原因は?

原因は犬ジステンパーウイルス(Canine distemper virus:CDV)の感染によって起きます。鼻汁や目ヤニ、クシャミなどによっておこる飛沫感染や、便、尿、感染動物との直接接触することにより、口や鼻や目からウイルスが侵入し感染します。
口や鼻から侵入したウイルスはリンパ節で増殖し、血流を介して呼吸器、消化器、皮膚、神経といった細胞へ感染していきます。

犬やフェレットといったペットだけでなく、タヌキなどの他のイヌ科動物、イタチ、アライグマなど多くの野生動物にも感染が確認されています。

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〇 症状は?

症状は発熱、鼻水や咳、目ヤニ、結膜炎といった風邪のような症状から始まるので、ケンネルコフといった一般的な風邪症状と間違えてしまうこともあります。その後目ヤニや鼻水が膿状になり、下痢や嘔吐といった消化器症状がおこり脱水、衰弱、元気食欲廃絶などの症状がでます。

鼻や肉球が角化して硬くなってきたり、膿疱などの湿疹がでる皮膚症状を呈することもあります。ブドウ膜炎、視神経炎などの目の症状も併せて起こすこともあります。

ジステンパーウイルスが脳に侵入し、ジステンパー脳炎を起こし、けいれんといった神経症状がでます。神経症状がでると死亡率は非常に高くなります。回復しても将来的に後遺症として神経症状を呈する場合もあります。

▪ 目ヤニ、鼻水
▪ ブドウ膜炎
▪ 肉球の角化、皮膚炎
▪ 消化器症状
▪ 神経症状

〇 診断は?

院内で行う検査としては、目ヤニや鼻水、糞便などから採取したスワブで行う簡易抗原検査で診断します。
外部の検査センターでの抗原を検出するPCR検査、抗体を検出する抗体検査も含めて診断します。

〇 治療は?

治療に関してはウイルス自体への効果的な治療薬はなく、出ている症状に対しての対症療法と、二次感染に対する抗生物質の治療のみです。
実際には脱水に対しての点滴、嘔吐に対する制吐剤、下痢に対する下痢止め、二次感染に対する抗生物質、けいれんに対しての抗けいれん剤の投与などです。

 


感染力も非常に高く、発症するとほとんど死亡してしまうといったかなり怖い病気です。確立された治療法もありません。予防は混合ワクチンを接種することです。
タヌキやイタチなどの野生動物にも感染するため、しっかりワクチンで予防することが重要です。

12/31(土)~1/4(水)午前まで休診

12/31(土)~1/4(水)午前まで
休診いたします。
1/4の午後は診察します。
年末年始のフードやお薬はお早めに。

猫伝染性腹膜炎

今回感染症シリーズ第九回。
今回は猫の感染症~猫伝染性腹膜炎~について解説します。

猫伝染性腹膜炎


猫伝染性腹膜炎ウイルスが原因となる病気です。
猫伝染性腹膜炎は腹膜炎だけでなく、さまざまな症状を示す病気です。発症するとほとんどの猫が死亡する致死性の高い疾患です。
猫腸コロナウイルスの感染から、猫の体内で突然変異を起こし、猫伝染性腹膜炎ウイルスになると言われています。

〇 猫ヘルペスウイルス感染症
〇 猫カリシウイルス感染症
〇 猫クラミジア感染症
〇 猫白血病ウイルス感染症
〇 猫免疫不全ウイルス(FIV)感染症
〇 猫腸コロナウイルス感染症
〇 猫汎白血球減少症
〇 猫ヘモプラズマ症

〇 原因は?

原因は猫伝染性腹膜炎ウイルス(feline infectious peritonitis virus:FIPV)です。
猫伝染性腹膜炎ウイルスは猫コロナウイルスの一種で腸炎を起こす猫腸コロナウイルスと血清学的に区別できないため、ほぼ同一のウイルスであると考えられています。
今のところ、猫腸コロナウイルスに感染したのちに、猫の体内で猫伝染性腹膜炎ウイルスに変異すると言われています。
発症には抗体介在性免疫増強が関連しているようで、感染に際して作られる抗体によってウイルスの増殖を爆発的に起こしてしまう状態が起きるようです。コロナウイルスに感染したら必ずしも猫伝染性腹膜炎を発症するわけではありません。
猫腸コロナウイルスは感染猫の糞便中に排出され、経口的に感染します。

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〇 症状は?

元気消失、食欲低下、発熱、嘔吐、下痢、貧血、黄疸といった症状を起こします。腹膜炎を起こすウェットタイプと、腹膜炎を起こさないドライタイプがあります。
腹膜炎は黄色い粘稠性のある特徴的な腹水が貯留します。血液検査所見としては高グロブリンを呈し、肝障害、腎障害の所見が確認されることもあります。また結膜炎、角膜炎、ブドウ膜炎などの目の症状や、けいれんといった神経症状を起こすこともあります。

▪ 高グロブリン血症
▪ 腹膜炎
▪ 黄疸

〇 診断は?

一つの検査のみで確定診断する方法はありません。臨床症状やさまざまな検査を組み合わせることにより診断していきます。
以前は外部の検査センターによって、FCoV抗体検査とタンパク電気泳動により高γグロブリン血症によって診断していました。現在は病変部からの検体によるPCR検査により診断精度は上がっています。

〇 治療は?

さまざまな治療法が研究されているものの、いまだ完全な治療法は確立されていません。
猫インターフェロンやプレドニゾロンによって治療効果があったとの報告もありますが、ほとんどの場合著効は見られないことが多いです。

 


死亡率が非常に高く、完全な治療法もなく、有効なワクチンも開発されていません。多頭飼育で腸コロナウイルスの感染率が高いことが報告させていることから、トイレなどの環境の消毒が重要です。